お知らせバックナンバー
対談
2023年12月18日訪問診療医「むすび在宅クリニック」香西友佳院長との対談
在宅医療の最前線で日夜ご活躍をされている訪問診療医「むすび在宅クリニック」香西友佳(こうざいゆか)院長と対談させていただいた記事が掲載されました。 香西友佳さんは訪問診療、在宅医療の立場から、患者さんの病気のことだけではなく、生活や人生に深く関りながら、包括的に「より豊かな人生にする」ことを目的に活動されている医師です。
今回、当クリニックの患者さんのご縁から「葬儀社とクリニック」の対談が実現いたしました。 対談形式のため、二人のお話を聞きながらのように葬儀から終活に至るまで幅広く理解できる内容になっていますので、ぜひご覧くださいませ。
対談1章
- お家で逝去された後の流れと葬儀社でやってもらえること
- 葬儀はなぜ行うのか
対談2章
- 遺骨の供養のルール
- グローバリズムと葬儀
- 葬儀にかかる費用について
対談3章
- 葬儀社の心構え
- 良い最期とは
- 終活について
- エンゼルケアとグリーフケアについて
今回の対談を通じて、医療の現場と葬儀社、それぞれの立場から情報交換を行うことで、医療者と葬儀社との相互理解や連携をすることが重要であると感じました。
株式会社セレモニーは、今後も逝去前後の不安を少しでも解消できる地域包括支援システムの構築を進めるため、理想のお別れのあり方を模索し努力していきます。
「むすび在宅クリニック」について
今回の対談に関する社会的背景
厚生労働省の検討会によると、国民の63.5%が「自宅で最期を迎えたい」と希望しているにも関わらず、2020年の死亡者は17%と未だ低い水準です。病院で最期を迎える方は、2005年の79.8%をピークに2021年は68.3%となっています。
日本ではかつて自宅で最期を迎えることが一般的で、1951年の自宅での死亡率は82.5%でした。しかし、国民皆保険制度や核家族化の進展により、在宅での死亡率は低下し1977年には初めて病院での死亡率が上回りました。その後、2005年には12.2%という過去最低を記録しましたが、2016年以降は徐々に増加しています。近年では、少子高齢化と核家族化による関係性の希薄化や高齢者の独居が大きな課題となっています。
在宅での最期を迎えることが見直される現在、病院で最期を迎えることへの疑問から自宅で穏やかに死を迎えることの重要性が再認識されています。 しかし、住み慣れた場所で家族やペット、好きなものに囲まれ、自分らしく人生の最終段階を過ごせる半面、病院と比べ看護師や医師が即座に駆け付けられるわけではなく、家族には多大な負担がかかる一面もあります。
現在、日本は人口減少社会に突入しており、2038年までに在宅死率40%を目指し、地域包括支援システムの構築を進めています。これは医療、介護、生活支援を一体的に提供するシステムで、重度の要介護状態でも住み慣れた地域で生活を続けることができるようになることを目指しています。しかし、地域ごとに格差があり、整備が遅れているのが現状です。
< p class="txt">特に人口の少ない地域では、在宅医療や在宅死を支える施設の未整備、関連の人材不足、高齢化が課題となっています。特定疾患以外で介護が必要となる場合や40歳未満で命に関わる病気で介護が必要になった場合、家族の負担軽減が課題となっています。将来的には少子高齢化が進み、病院や施設に入れずに自宅で療養する環境が整わない中で、在宅死が難しくなる「看取り難民」の増加が懸念されます。